数学入門: 第8章フィードバック

「ライブ講義 大学1年生のための数学入門」を使った学生・読者の反応と, それに対する著者からのフィードバックです。

学生のリアクションペーパーから

  • 積分の話では、学びのアップデートの目白押しだった。積分の考えの元となっているのが区分求積法の考え方だったことに驚いたし、積分の定義に「面積」という単語が入っていないのにも驚いた。  

  • 具体的でわかりやすいものから抽象的な定義へと進化することで、より汎用性が高まる。自分はようやく高校生から大学生へと考え方が変わってきた。抽象的なことに対して気持ち悪いと感じなくなってきた。  

  • 今までは微分の逆が積分だと思っていたので、これからは関数に微小量をかけて足し合わせたものと理解していきたい。  

  • 高校時代は積分は求積のための手段だとずっと考えていたが、確かにそれでは物理学の仕事を積分で表すような発想にはたどり着けない。イメージ的な発想から始まるが最終的には抽象的な定義で考える過程は微分の定義へとたどり着く過程(教科書p60-62)と似たものを感じた。  

    ... 積分といえば面積や体積, というイメージをいったん崩す必要があります。

  • 数学や微分を使って、個体群の増減を調べることができるということを知りました。高校の授業で個体群について学んだときは、今日の授業で先生が描かれたような個体数の収束のグラフが突然出てきて、こういうものなんだと押し付けられましたが、個体数の増加とそれによる種内競争を考慮した式を微分することで、確かに教科書に出てきたグラフのような形になるということが論理的に分かり、感動しました。高校の生物では、なぜそうなるのかが示されず結果だけが教えられるということが頻繁にあったので、今後も数学や物理学の力を使って、自分が高校時代に疑問に思い消化しきれなかった問いに答えを見つけて行けるようにしたいです。  

  • 今まで正直数学が生物学にどう役立つのかわかっていなかった。しかし、微分で個体群動態を予測できるということを学び、数学と生物学がどう結びつくのかがわかった。まったく関係のないように見える学問がつながるのは、抽象化の恩恵かもしれないと気付いた。  

  • 初めはわけがわからない式のように思えたが、見慣れたグラフが現れて、一見数学と無縁に思える生物も数学とつながっていることを実感し、感動した。個体数は指数関数的には増加せず、環境収容力に達する、という事実も数式を用いて理屈で説明でき、異なる教科の関わり合いの面白さに気づいた。  

  • 微分の定義に積分は登場せず、積分の定義に微分は登場しないが、基本定理によって微分と積分を結べることを学んだ。  

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